在宅ワーク用のPCを選ぶとき、「メモリは何GB?」「CPUはどれくらい?」と迷いませんか。スペック表は数字と英字だらけで、どこまでが必要で、どこからが贅沢なのか、なかなか判断がつきません。
そこでこの記事では、Zoom・Microsoft Teams・Google Meetの3つの公式要件と、Windows 11の最小要件を並べて、「公式が示している最低ライン」と「余裕を見たライン」を整理しました。そのうえで、用途別の早見表と、買う前に確認したいチェックリストにまとめています。
なお、特定の機種や店はすすめません。「メモリは○GBあれば安心」といった公的な統一基準は見つからなかったため、公式の数値と、当サイトの目安は分けて書いています。
まず結論:スペックは「いちばん重い作業」から逆算する
スペック選びでいちばん失敗が少ないのは、毎日の仕事の中で「いちばん重い作業」を基準にする方法です。軽い作業に合わせて選ぶと、重い作業の日に困ります。逆に、年に数回しかしない作業に合わせすぎると、毎日の負担が大きくなりがちです。
目安として、在宅ワークの使い方を次の3つに分けて考えます。
- Web会議・ブラウザ・Office中心
- 画像や動画の軽い編集
- プログラミングやデータ処理
この記事で公式の数値が確認できたのは、いちばん上のタイプです。残りの2つは、使うソフトの公式要件を確認するのが確実です。
Zoom・Teams・Meetの公式要件を3社で比べる
在宅ワークでいちばん使う機会が多いのは、Web会議です。3つのサービスが公表している要件を、表にまとめました。
| サービス | 最低ライン | 推奨・余裕のライン | 補足 |
|---|---|---|---|
| Zoom | デュアルコア2GHz以上、メモリ4GB[1] | クアッドコア2.5GHz以上、メモリ16GB[1] | デュアルコア・シングルコアのノートPCは、画面共有時のフレームレートが約5フレーム/秒に下がる[1] |
| Microsoft Teams | 1.1GHz以上の2コア、メモリ4GB[2] | 10人以上の会議やライブイベントは、2018年以降の4コア。アバター機能は、8GB以上と2018年以降の4コア[2] | 推奨は、利用シーンごとに示されている[2] |
| Google Meet | デュアルコア、メモリ2GB[3] | 第10世代Intel Core i3/i5/i7(Ice Lake以降)、Ryzen 3000シリーズのRyzen 5/7以上。最適は第11世代Intel Core i5/i7、Ryzen 5000シリーズ、Apple M1以上[3] | 最適な条件として、1080pのカメラとWebGL 2.0対応のグラフィックスも挙げている[3] |
表を見ると、最低ラインはどのサービスもかなり低く、メモリ2〜4GB、デュアルコアで足ります。ただし、これは「動く」ための条件です。快適さの目安は右側の欄で、Zoomは16GBとクアッドコア、Teamsは大人数の会議で4コア、Meetは第10世代以降のCPUを挙げています。
注目したいのは画面共有です。Zoomは、デュアルコアやシングルコアのノートPCでは画面共有時のフレームレートが下がると説明し、快適に使うにはクアッドコア以上を勧めています[1]。会議をしながら資料を見せる機会が多い人は、コア数を優先して見るとよさそうです。
またMeetは、要件を満たしていても動作が重いときの対処として、使っていないブラウザのタブやアプリを閉じることを案内しています[3]。会議中にタブを大量に開く人ほど、メモリに余裕があると安心です。
OSの要件:Windows 11の最小ラインを知っておく
OSにも最小要件があります。Microsoftが公表しているWindows 11の最小要件は、1GHz以上で2コア以上の64ビットCPU、メモリ4GB、ストレージ64GB、UEFIとセキュアブート、TPM 2.0などです[4]。Zoomの対応OSは、WindowsならWindows 10と11、MacならmacOS 10.15以降です[1]。
ここで注意したいのは、64GBというストレージの数字が、OSを動かすための最低ラインだということです。実際は、会議アプリ、Office、ブラウザ、仕事のファイルが加わります。次の章で、容量の考え方を見ていきます。
メモリ・CPU・ストレージの読み方
メモリ:同時に開くものの数で決める
メモリは、作業台の広さのようなものです。広いほど、会議アプリ、ブラウザのタブ、Officeを同時に広げても、モタつきにくくなります。公式の最低ラインは2〜4GB、Zoomの推奨は16GBでした[1][2][3]。
当サイトの目安としては、会議をしながら資料やブラウザを開く使い方なら、16GBあると余裕が持てます。ただし、これは公的な基準ではありません。8GBで足りる人もいれば、タブを大量に開く人は16GBでも足りないことがあります。
購入前には、メモリを後から増やせるかも確認しましょう。モデルによっては、増設できない構造のものがあります。仕様表やメーカーの案内で確かめてください。
CPU:コア数と世代を見る
CPUは、コア数と世代を見ます。Zoomの推奨はクアッドコア2.5GHz以上[1]、Teamsは大人数の会議で2018年以降の4コア[2]、Meetは第10世代Intel CoreやRyzen 3000シリーズ以降です[3]。共通点は、4コア前後で、比較的新しい世代ということです。
型番の末尾にあるU・P・Hなどのアルファベットは、省電力型か高性能型かを示すことがありますが、意味はメーカーや世代で異なります。今回は一次資料で確認できなかったため、型番を控えて、各メーカーの公式の型番解説ページで確かめてください。
ストレージ:OSの64GBに、作業の分を足す
Windows 11の最小要件は64GBでした[4]。ここに、アプリと仕事のファイルが加わります。当サイトの目安は256GB以上です。これも公的な基準ではありません。
ファイルの多くをクラウドに置く人なら、少なめでも回ります。画像や動画を扱う人は、大きめが安心です。迷ったら、いまのPCの使用量を確認して、その1.5倍ほどを目安にすると選びやすくなります。この1.5倍も、当サイトの目安です。
スペックの前に、回線もチェックする
PCのスペックを上げても、回線が細いと会議は安定しません。Zoomが示す推奨帯域は、1対1のビデオ通話で、720p HDなら1.2Mbps、1080p HDなら上り3.8Mbps・下り3.0Mbpsです[1]。画面共有だけなら50〜75kbpsとされています[1]。
会議が途切れる原因が、PCではなく回線にあることも少なくありません。PCを買い替える前に、現在の回線速度を確認しておくと安心です。
【自作】用途別スペック早見表
ここまでの内容を、用途別に表へまとめました。「公式」と書いた欄は出典のある数値、「当サイトの目安」と書いた欄は公的な根拠のない参考値です。
| 使い方 | 最低ライン | 余裕を見たライン | 根拠 |
|---|---|---|---|
| Web会議・ブラウザ・Office中心 | メモリ4GB、デュアルコア。OSはWindows 11の場合、メモリ4GB・ストレージ64GB | メモリ16GB、クアッドコア以上、第10世代前後以降のCPU。ストレージは256GB以上(容量は当サイトの目安) | 公式:Zoom・Teams・Meet・Windows 11[1][2][3][4] |
| 画像・動画の軽い編集 | 使うソフトの公式要件に従う(今回は確認できず) | メモリ16GB以上。ストレージは大きめ | 当サイトの目安 |
| プログラミング・データ処理 | 使うソフトの公式要件に従う(今回は確認できず) | メモリ16〜32GB。開発環境や扱うデータの大きさで変わる | 当サイトの目安 |
下2行は、使うソフトで必要な数値が大きく変わります。購入前に、使うソフトの公式サイトで「動作環境」を確認してください。
【自作】買う前のスペック確認チェックリスト
スペック表だけでは見落としやすい点を、8項目にまとめました。店頭でもネットでも、購入ボタンを押す前に確認してみてください。
購入前に確認する8項目
- メモリは何GBか。後から増やせる構造か
- CPUの型番を控えて、コア数と世代をメーカー公式の仕様ページで確認したか
- ストレージは、いまのPCの使用量の1.5倍ほどあるか(当サイトの目安)
- 外部モニターにつなぐ予定があれば、映像出力できる端子の種類と数を確認したか
- USB Type-C端子は、映像出力(DisplayPort Alt Mode)に対応しているか。端子の形だけでは判断できない[5]
- Webカメラとマイクは内蔵か。会議の画質にこだわるなら、Meetが最適な条件に挙げる1080pのカメラか[3]
- 付属のACアダプターの容量と、ほかの機器と同じ電源タップで使うときの合計は問題ないか
- 保証期間とサポート窓口はどこか
4と5は、見落とされやすい項目です。VESAの規格では、USB Type-Cの端子で映像を出す機能は、DisplayPort Alt Modeという仕組みに対応した機器で使えます[5]。同じ形の端子が付いていても、映像出力に対応しているとは限りません。外部モニターを使う予定があるなら、仕様表に「映像出力」や「DisplayPort」の記載があるかを確かめましょう。
まとめ
在宅ワークのPCスペックの決め方は、次の3点に絞れます。
- 公式の「最低ライン」は動く条件で、「推奨」が快適さの目安
- 会議中心なら、メモリ16GB・4コア前後・新しめの世代が余裕のライン
- 毎日の仕事の中で、いちばん重い作業から逆算して決める
デスクまわりの機器をまとめて見直したい方は、ガジェット選びのガイドもあわせてどうぞ。PCや周辺機器をつなぐ電源の合計は、デスクの電源容量チェッカーで確認できます。デスクトップPCを具体的に検討したい方は、在宅ワーク向けデスクトップPCの選び方が参考になります。
よくある質問
- Q在宅ワークのPCは、メモリ何GBあれば足りますか?
- A公式の最低ラインは、Zoomが4GB、Teamsが4GB、Meetが2GBです[1][2][3]。
Zoomは推奨として16GBを挙げています[1]。
会議をしながら資料やブラウザを開く使い方なら、16GBが余裕のラインというのが当サイトの目安です。
公的な統一基準は確認できませんでした。
- QCPUは何コア以上を選べばいいですか?
- AZoomの最低ラインはデュアルコア、推奨はクアッドコア2.5GHz以上です[1]。
Teamsは、10人以上の会議で2018年以降の4コアを推奨しています[2]。
画面共有をよく使うなら、4コア以上を選ぶと安心です。
- Qストレージは何GBあれば足りますか?
- AWindows 11の最小要件は64GBです[4]。
これはOSを動かすための最低ラインで、アプリや仕事のファイルは含まれていません。
当サイトの目安は256GB以上ですが、公的な統一基準は確認できませんでした。
ファイルの量や、クラウドを使うかどうかで変わります。
- Q手持ちのWindows 10のPCは、Windows 11に対応していますか?
- AWindows 11には、CPU・メモリ・ストレージ・TPM 2.0などの最小要件があります[4]。
Microsoftは、対応しているかを確認する「PC正常性チェック」アプリを案内しています[4]。
購入や買い替えの前に、このアプリで確かめてみてください。
- QUSB Type-C端子があれば、外部モニターにつなげますか?
- A端子の形だけでは判断できません。
USB Type-Cで映像を出す機能は、DisplayPort Alt Modeという規格に対応した機器で使えます[5]。
購入前に、仕様表で映像出力の対応を確認してください。
参考資料
- Zoom「Zoom system requirements: Windows, macOS, Linux」(2026年10月確認) https://support.zoom.com/hc/en/article?id=zm_kb&sysparm_article=KB0060748
- Microsoft「Teams client system requirements」(Microsoft Learn) https://learn.microsoft.com/en-us/microsoftteams/teams-client-system-requirements
- Google「Learn what requirements you need to use Google Meet」(Google Meet ヘルプ、2026年10月確認) https://support.google.com/meet/answer/7317473?hl=en
- Microsoft「Windows 11 のシステム要件」(Microsoft サポート、2026年10月確認) https://support.microsoft.com/ja-jp/windows/experience/compatibility/windows-11-system-requirements
- VESA「VESA Brings DisplayPort to New USB Type-C Connector」(2014年9月22日) https://vesa.org/featured-articles/vesa-brings-displayport-to-new-usb-type-c-connector/


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