身長別の机と椅子の高さ早見表|150〜185cmの目安と差尺の計算

座っていると、いつの間にか肩がじわじわ上がっている。
足の裏が床にぺたっとつかなくて、ぶらぶらしてしまう。
そんなときは、机と椅子の高さの組み合わせが、体に合っていないのかもしれません。

この記事では、身長ごとに机と椅子の高さの目安を出せる早見表を用意しました。
計算のもとにした出典も載せています。
出典のある数値と「当サイトの目安」は、はっきり分けて書きました。

対象は、座って作業するときの高さです。立って作業する高さは扱いません。
体の痛みやしびれが続くときは、高さの調整だけで済ませず、医療機関や産業医に相談してください。

机と椅子の高さは「差尺」でそろえる

机の高さと椅子の高さは、別々に考えるとズレやすいです。
そこで使うのが、座面から天板の上までの距離「差尺(さしゃく)」です。
差尺とは、机の高さと椅子の座面の高さの差のことです[1]。

人間工学の研究では、差尺を座高の3分の1にする方法が知られています。
作業療法の分野の論文でも、この方法が取り上げられています。
筆記など作業効率を重視するときは、そこから2〜3cm引いた値が適当だと紹介されています[1]。

椅子の高さは、足の裏全体が床につき、ひざと股関節が約90度に曲がる高さが基本です[2]。
つまり、先に椅子の高さを決めて、そこへ差尺を足して机の高さを決める、という順番になります。

高さの決め方は3ステップ

  1. 椅子の高さを決める:足の裏全体が床につき、ひざと股関節が約90度になる高さ
  2. 差尺を決める:座高の3分の1(作業効率を重視するなら、そこから2〜3cm引く)
  3. 机の高さを決める:椅子の座面の高さ+差尺

公的なガイドラインは何と言っている?

厚生労働省は「情報機器作業における労働衛生管理のためのガイドライン」(令和元年7月12日付け基発0712第3号)をまとめていて、パンフレットで要点を紹介しています[3]。
事務所向けの内容ですが、自宅でテレワークをする人は、このガイドラインを参考に作業環境を整えるよう案内されています[3]。
パンフレットの机・椅子まわりの要点は、次のとおりです。

  • 椅子:
    安定して座れて移動しやすく、座面の高さや背もたれを調節できるもの[3]
  • 机:
    機器と書類を置ける広さがあり、高さは作業者に合ったもの。
    机の下は、脚を動かせる広さがあること[3]
  • 姿勢:
    椅子に深く正しく座り、足は足の裏全体が床に接するように[3]
  • ディスプレイ:
    眼から40cm以上離し、画面の上端は眼の高さまで[3]

自宅向けの案内でも、机は「体型に合った高さ、または高さを調整できるもの」、椅子は「座面の高さを調整できるもの」とされています[4]。
全国健康保険協会(協会けんぽ)の健康情報でも、足の裏全体を床につけてひざの角度を約90度にすること、モニターの上端は目の高さか少し下にすることが案内されています[5]。

ここで正直にお伝えすると、確認できたパンフレットや案内には、机や座面の高さを「何cm」と決める数値は載っていませんでした(ガイドライン本文までは確認できていません)。
数値で決めたいときは、先ほどの「差尺」の考え方を使うことになります。

身長別の高さ早見表(座り作業用)

使い方は簡単です。自分の身長に近い行を見て、椅子を「座面高の目安」に合わせます。
そのうえで、机を「天板の高さの目安」の幅の中で動かし、肘が楽な高さを探してください。

身長座高の目安
(身長×0.55)[2]
座面高の目安
(身長×0.25)
※当サイトの目安
差尺の目安
(座高÷3−3cm 〜 座高÷3)[1][2]
天板の高さの目安
(座面高+差尺)
※当サイトの目安
150cm約83cm約38cm25〜28cm62〜65cm
155cm約85cm約39cm25〜28cm64〜67cm
160cm約88cm約40cm26〜29cm66〜69cm
165cm約91cm約41cm27〜30cm69〜72cm
170cm約94cm約43cm28〜31cm71〜74cm
175cm約96cm約44cm29〜32cm73〜76cm
180cm約99cm約45cm30〜33cm75〜78cm
185cm約102cm約46cm31〜34cm77〜80cm

数値は四捨五入しているので、座面高と差尺を足した値が、天板の高さと1cmほどずれることがあります。座面高は、靴を脱いだ状態を想定しています。

座面高の目安について補足します。身長×0.25という式そのものの出典は、確認できませんでした。
そのため、この列と天板の高さの列は「当サイトの目安」としています。
参考までに、先ほどの論文には、成人の標準値として、JISに反映されているとされる椅子の高さ38〜41cmという記述があります[1]。
この表の150〜165cmの行(38〜41cm)と、ほぼ重なります。

靴を履いて使うときは、靴底の厚みを足した高さが適切だと報告されています[1]。
座面のクッションの厚みでも、体感の高さは変わります。

早見表の計算のしかたと、数字の注意点

自分で計算したい人のために、手順を書いておきます。

  1. 座高を出す:身長(cm)×0.55[2]
  2. 差尺の幅を出す:下限は座高÷3−3cm、上限は座高÷3[1][2]
  3. 座面高を決める:足の裏全体が床につき、ひざが約90度になる高さ(目安は身長×0.25)
  4. 天板の高さを出す:座面高+差尺

たとえば身長165cmなら、座高は約91cm、差尺は27〜30cm、座面高は約41cm、天板の高さは約69〜72cmです。

注意点は3つあります。
1つめは、座高の0.55という数字が近似だということです。
この式は、お子さん向けの調整資料に載っていたものです[2]。
愛知県の学校保健統計(平成27年度)の17歳の平均を見ると、男子は身長170.9cmに対して座高91.8cm、女子は身長158.0cmに対して座高85.7cmでした[6]。座高は身長の約0.54倍です。
0.55で計算すると座高が1〜2cm大きく出ますが、差尺にすると0.5cm前後の差におさまります。
ただし、成人の座高の公的なデータは確認できていません。

2つめは、許容される幅についてです。
論文では、座高の3分の1を基準に、上下に3cmほどの幅があっても差し支えない可能性が示されています[1]。
ただし、この研究は高齢で要介護の方20名を対象にした小規模なものです。
働く世代にそのまま当てはまるとは言い切れないので、「幅をもたせて探る目安」と考えてください。

3つめは、個人差です。
座高や脚の長さは人によって違います。
早見表で幅を出したら、実際に足の裏が床につくか、肘が楽に曲がるかを、自分の体で確かめてください。

机が固定の高さのときの合わせ方

ダイニングテーブルや、高さが決まったデスクを使うこともありますよね。
論文では、机と椅子の高さを変えられるかどうかで、手順が3つに整理されています[1]。

  • 机も椅子も高さを変えられないとき:
    差尺が座高の3分の1になるよう、座面クッションなどで椅子の高さを合わせます。
    そのうえで、足置き台を使ってひざが約90度になるよう脚の位置を整えます[1]
  • 椅子は固定で、机は高さを変えられるとき:
    先に、足置き台やクッションで椅子に座った姿勢を整えます。
    そのあと、差尺が座高の3分の1になるよう机を調整します[1]
  • 机も椅子も高さを変えられるとき:
    椅子でひざ約90度をつくり、次に机で差尺を合わせます[1]

足が床に届かない椅子では、足置き台で高さを補う方法があります[2]。
机の高さの合わせ方として、肘を曲げて腕を少し前に出したときの肘の高さに調整する方法も紹介されています[2]。

安全のために:取扱説明書・公式の案内が最優先です

  • 椅子の座面高の調整や、昇降デスクの操作は、必ず取扱説明書の手順と注意に従ってください。
  • 座面クッションや足置き台は、ぐらつかず、滑らないものを選んでください。
  • 昇降デスクを動かすときは、ひざや手、物を挟まないよう周りを確認してください。
  • 痛みやしびれが続くときは、自分での調整だけで済ませず、医療機関や産業医に相談してください。

昇降デスクとチェアの「調整範囲」を確かめる

早見表で出した幅が、買おうとしているデスクやチェアの調整範囲に入っているか。
購入前にここを確かめておくと、「届かなかった」を防げます。
まずは昇降デスクの、天板の高さの調整範囲を並べました。

メーカー・モデル天板の高さの調整範囲出典の種類
サンワダイレクト ERD-Mシリーズ63〜128cmメーカー公式の製品ページ[7]
サンワダイレクト 100-ERD04373〜118cmメーカー公式のニュースリリース[8]
コクヨ STANDSIT-W66.5〜126.5cm報道(発売時の発表)[9]
オカムラ Swift Nex(デスク)65〜125cm、または72〜122cm(2種類から選択)報道(発売時の発表)[10]
FlexiSpot E7Q-Odin60.5〜125.5cm報道(発売時の発表)[11]

FlexiSpotは、公式ページから仕様の数値を取得できなかったため、報道の値を載せています。
数値は発売時の発表をもとにしているので、現行モデルの仕様と、高さを測る位置の定義は、各社の公式ページで確認してください。

早見表と照らしてみます。
座るときの下限が60〜66cm台のモデルなら、身長150〜160cm台の行(62〜69cm)に届きます。
コクヨは、下限の66.5cmを身長156〜157cmの人が座る高さを想定したものとしていて[9]、早見表の155〜160cmの行(64〜69cm)と近い数字です。

一方、下限が72〜73cmのモデルは、早見表では身長170cm前後の行(71〜74cm)から、ようやく範囲に入ります。それより小柄な場合は、椅子を高くして足置き台を併用することになります。

電動昇降デスクの全体像は電動昇降デスクの選び方ガイドにまとめています。

チェアは、座面高の調節範囲を見ます。
今回確認できたのは、オカムラ「シルフィー」の420〜520mm[12]と、FlexiSpot「C7 Pro2」の44〜54cm[13]で、どちらも調整幅は約10cmでした。
この2つは販売店・価格比較サイトの掲載値で、メーカー公式の仕様は取得できていません。

座面高の下限が42〜44cmだと、早見表の座面高の目安が43〜44cm前後になる身長170〜175cmあたりから、ちょうど届く計算です。
それより小柄な人は、下限が足りず、足置き台が必要になりがちです。
購入前に、座面高の下限が自分の目安より低いかを必ず確認してください。
中古のチェアを選ぶなら、中古オフィスチェアのチェックリストも役に立ちます。

座面高の調整範囲を含めたチェア選びの基準は、在宅ワークのオフィスチェアの選び方にまとめています。

高さ合わせチェックリスト(買う前・調整後)

早見表で目安を出したら、このチェックリストで最終確認をしてください。
印刷やスクリーンショットでも使えます。

チェックリスト

【買う前】

  • ☐ 足の裏を床につけ、ひざが約90度になる椅子の高さを測った
  • ☐ 座高を測った(背筋を軽く伸ばして座り、座面から頭のてっぺんまで)
  • ☐ 早見表か計算で、座面高と天板の高さの幅を出した
  • ☐ 候補のデスクの調整範囲(下限・上限)が、その幅に入っている
  • ☐ 候補のチェアの座面高の下限が、自分の座面高の目安より低い(または足置き台を使う前提にしている)
  • ☐ 取扱説明書で、調整の手順と注意を確認できる

【調整したあと】

  • ☐ 足の裏全体が床につき、ひざが約90度に曲がっている[2]
  • ☐ 椅子に深く座り、背もたれに背中を預けられる[3]
  • ☐ 肘を曲げて腕を少し前に出したとき、肘の高さと机の高さが合っている[2]
  • ☐ 肩がすくんで上がっていない
  • ☐ ディスプレイは眼から40cm以上離れていて、画面の上端が眼の高さまでにある[3]
  • ☐ 机の下で、脚を動かせる[3]
  • ☐ 長時間同じ姿勢にならないよう、ときどき立ち上がっている[3]

デスクまわりのほかの話題は、デスクガイドからたどれます。

よくある質問

Q
身長だけで、机と椅子の高さは決められますか?
A
目安にはなりますが、これだけで決めきるのはおすすめしません。
座高や脚の長さには個人差があり、靴の厚みでも高さは変わります。
早見表で幅を出したら、足の裏が床につくか、肘が楽に曲がるかを、実際に確かめてください。
Q
座高はどうやって測ればいいですか?
A
座高は、頭のてっぺんから座面までの垂直な距離です[1]。
壁のそばで背筋を軽く伸ばして座り、座面から頭のてっぺんまでを測ります。
誰かに測ってもらうと、ズレにくくなります。
Q
机が高すぎて合いません。どうすればいいですか?
A
椅子を高くして、浮いた足を足置き台で支える方法があります[1][2]。
肘が上がってしまうほど高い場合は、高さを変えられる机も候補になります。
Q
立って作業するときの高さの目安はありますか?
A
この記事は、座って作業する高さが対象です。
立って使う高さについて、公的な数値の根拠は確認できていません。
ガイドラインのパンフレットでは、長時間同じ姿勢にならないよう、ときどき立ち上がるか立ち作業を取り入れることが案内されています[3]。
Q
子どもや高齢の方にも、この早見表は使えますか?
A
早見表は、座って作業する成人を想定した目安です。
子どもは体格が変わりやすく、高齢の方も体の状態に個人差があります。
参考資料の中には、子ども向けの調整資料[2]や、高齢の方を対象にした研究[1]もあります。
体の状態が気になるときは、医療機関や作業療法士などの専門職に相談してください。

参考資料

  1. 久野真矢・清水一「高齢障害者に合った机・テーブルの高さの決定方法について」広島大学保健学ジャーナル Vol.2(2)(2003年):https://ir.lib.hiroshima-u.ac.jp/16420/files/24180
  2. 京都府の教育関連サイトに掲載された作業療法士の資料「第5回 SSC OTからの情報発信!〜良い姿勢ってどんな姿勢?②〜」(お子さん向けの資料):https://www.kyoto-be.ne.jp/kyoto-ssc/cms/wp-content/uploads/2024/12/%E7%AC%AC%EF%BC%95%E5%9B%9E%E3%80%80SSC%E3%80%80OT%E3%81%8B%E3%82%89%E3%81%AE%E6%83%85%E5%A0%B1%E7%99%BA%E4%BF%A1%EF%BC%81.pdf
  3. 厚生労働省パンフレット「情報機器作業における労働衛生管理のためのガイドライン」:https://www.mhlw.go.jp/content/11300000/000861747.pdf
  4. 厚生労働省の資料「自宅等でテレワークを行う際の作業環境の整備について」:https://www.mhlw.go.jp/content/11300000/000999963.pdf
  5. 全国健康保険協会(協会けんぽ)「【正しい姿勢を意識しよう!】デスクワークでの肩こり」:https://www.kyoukaikenpo.or.jp/g5/cat510/r07/0302/
  6. 愛知県「学校保健統計調査 調査結果の概要」(平成27年度):https://www.pref.aichi.jp/uploaded/attachment/204329.pdf
  7. サンワサプライ「昇降デスク」製品ページ(ERD-Mシリーズ ほか):https://www.sanwa.co.jp/product/desk_rack/desk/lift_desk.html?pan_list=1
  8. サンワサプライ ニュースリリース「電動昇降デスク 100-ERD043」(2024年6月4日):https://direct.sanwa.co.jp/contents/news/pdf/2024/100-ERD043.pdf
  9. Impress Watch「コクヨ、価格を抑えた電動昇降デスク「STANDSIT-W」発売、自宅でのスタンディングワークを実現」:https://internet.watch.impress.co.jp/docs/news/1406439.html
  10. Impress Watch「オカムラ、オフィス向け電動昇降デスク「Swift Nex」を発売」(2023年11月8日):https://internet.watch.impress.co.jp/docs/news/1544981.html
  11. ASCII「FlexiSpot、高い風格の電動昇降デスク「E7Q-Odin」発売」(2023年2月13日):https://ascii.jp/elem/000/004/124/4124553/
  12. レンティオ「オカムラ オフィスチェア シルフィー ローバック」商品ページ(販売店の掲載値):https://www.rentio.jp/products/c631xr-fmp5
  13. 価格.com「FLEXISPOT」製品一覧(オフィスチェア C7 Pro2 の掲載値):https://search.kakaku.com/FLEXISPOT/

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