在宅ワークの環境を整える中で、最後まで後回しになりやすいのがヘッドホン・イヤホン選びです。「ノイキャンが強い」「マイクがいい」といった宣伝文句は多いものの、実際に何dB騒音を減らせるのか、Web会議でどれだけクリアに声が届くのかは、製品ページを眺めただけでは判断しづらいところです。
この記事では、感想や体験談ではなく、確認すべき3つのスペック軸(ノイズキャンセリングのdB値・マイクの方式・重さ)で判断基準を整理したうえで、タイプ別・予算別に型番を比較します。
型番やモデル名は入れ替わっていきますが、「何を見て、何を優先するか」という軸さえ持っておけば、次に新しいモデルが出ても迷わず判断できます。
ヘッドホンかイヤホンか、最初に迷うポイント
在宅ワークの音響機器選びで最初に立ちはだかるのが「ヘッドホンかイヤホンか」という入口の選択です。
結論から言えば、これはライフスタイルの違いであって、優劣の問題ではありません。
Web会議中心で長時間机に向かうタイプなら、密閉型のオーバーイヤーヘッドホンが遮音性・装着の安定感で有利です。
一方、家事や育児と作業を行き来する人、身軽さを優先したい人にとっては、完全ワイヤレスイヤホンやオープンイヤー型の方が扱いやすくなります。
この記事では「どちらが正解か」を決めつけず、①オーバーイヤー ②完全ワイヤレスイヤホン ③オープンイヤー型 ④ビジネス特化ヘッドセット、という4つのタイプを横並びで扱い、それぞれの中でスペックを比較していきます。
01
オーバーイヤー
ノイキャン重視
02
完全ワイヤレスイヤホン
携帯性重視
03
オープンイヤー型
ながら聴き重視
04
ビジネス特化ヘッドセット
マイク性能重視
最初に確認すべき3つのスペック軸
型番を1つずつ覚えるより、「何を見て、何を優先するか」の軸を先に持っておくほうが、モデルが入れ替わっても判断に迷いません。
ヘッドホン・イヤホン選びで実際に効いてくるのは、次の3つです。
ノイズキャンセリングは「dB」で比較する
ノイズキャンセリング(ANC)の強さは「最大◯dB低減」という形でメーカーが公表していますが、この数値は測定条件(周波数帯・測定機関)がメーカーごとに異なるため、単純な横並び比較には向きません。
「同じ-40dBでも、空調音のような低域に強いのか、人の声に近い中域まで削れるのかはモデルによって違う」という点は覚えておく必要があります。
実用面の目安としては、-30dB前後で「体感できるレベル」、-40dB以上で「電車内やカフェでも実用十分」、-45dB以上は「フラッグシップクラス」という段階感で捉えると分かりやすくなります。
加えて、Ankerをはじめ多くのメーカーが採用する「アダプティブ(自動調整)」方式かどうかも、装着状態や周囲の騒音に応じて強度を変えてくれるかの分かれ目になります。
Noise Cancelling — 実用面の目安
-30dB
体感できるレベル
-40dB
電車内やカフェでも実用十分
-45dB
フラッグシップクラス
Web会議の聞き取りやすさは「マイクの方式・本数」で決まる
ノイキャンとよく混同されるのが「マイクのノイズリダクション」です。
これは自分の声以外の周囲の雑音を相手に届けないようにする機能で、耳に届く音を静かにするANCとは別物です。
マイクの本数が多く、ビームフォーミング(複数マイクで声の方向を絞り込む技術)に対応しているモデルほど、キーボードの打鍵音やエアコンの音を拾いにくい傾向があります。
「AIノイズリダクション」を謳う製品も増えていますが、「マイク数」「ビームフォーミング対応」は製品ページのスペック欄で確認できる客観的な指標なので、購入前にチェックしておくと失敗しにくくなります。
長時間装着の快適さは「重さ(g)」でわかる
Web会議が多い日は、ヘッドホン・イヤホンを4〜6時間つけっぱなしにすることも珍しくありません。この場合、音質やノイキャン性能と同じくらい「重さ」が効いてきます。
目安として、オーバーイヤー型は230〜300g前後がボリュームゾーンで、300gを超えると長時間装着でこめかみや首への負担を感じやすくなります。
完全ワイヤレスイヤホンは片耳4〜6g程度が標準的で、6gを超えると重量感を感じ始める人もいます。
オープンイヤー型は耳を塞がない構造上、8〜12g程度でも軽く感じられる設計が多くなっています。

タイプ別・予算別の型番スペック比較
ここからは実際の型番で比較します。
DeskKaizenが提携するAnker(Soundcore)のラインナップを軸に、エントリー・ミドル・ハイエンドの3段階で並べました。
ただし、Ankerが最適でない場面では忖度せず、他ブランドも紹介します。
①オーバーイヤー(ノイキャン重視)
Web会議中心で長時間机に向かう人向けのタイプです。
密閉型のため遮音性が高く、ノイキャン性能も比較しやすいカテゴリーです。
正直に言うと、純粋なノイキャンの絶対性能では、ソニー「WH-1000XM5」のような業界トップクラスのモデルにAnkerはまだ一歩譲ります。静寂性を最優先するなら、こちらも比較対象に入れる価値があります。
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②完全ワイヤレスイヤホン
荷物を増やしたくない人、家事や育児と作業を行き来する人向けのタイプです。
近年はエントリークラスでもANCが標準搭載になりつつあります。
正直に言うと、Web会議のマイク性能・通話品質という一点に絞れば、ソニー「WF-1000XM5」のビームフォーミング+AIノイズリダクションも依然強力な選択肢です。「音楽もWeb会議も、通話品質を一切妥協したくない」という人は比較しておく価値があります。
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③オープンイヤー型(ながら聴き重視)
耳を塞がない構造で、家族の呼びかけや来客に気づきやすいタイプです。
Web会議専用というよりは「作業中はイヤホン、家事や育児のときも外さない」というながら聴きに向いています。
正直に言うと、「耳を完全に塞がない安心感」をビジネス用途に振り切りたいなら、骨伝導方式のShokz「OpenComm2 UC」のようなビジネス特化モデルも選択肢になります。オープンイヤー型より装着の安定感と通話専用設計に強みがあります。
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④ビジネス特化ヘッドセット(マイク性能重視)
Anker自身も過去にWeb会議向けヘッドセット「PowerConf H700」を展開していましたが、2026年9月時点で販売終了となっています。
このタイプは無理にAnkerで揃えず、素直に他ブランドから選ぶのが現実的です。
価格帯別・組み合わせ早見表
タイプを横断して、予算感だけで比較したい場合はこちらを参考にしてください。
Tier 01 — Entry
〜¥7,000
Soundcore Q20i(オーバーイヤー)/Soundcore P31i(イヤホン)/Logicool H390(ビジネス)
Tier 02 — Mid
¥13,000〜17,000
Soundcore Space Q45(オーバーイヤー)/Soundcore Liberty 5(イヤホン)/Soundcore AeroFit・AeroFit 2(オープンイヤー)
Tier 03 — High-End
¥25,000〜
Soundcore Space One Pro(オーバーイヤー)/Soundcore Liberty 5 Pro(イヤホン)/Soundcore AeroFit 2 Pro(オープンイヤー)/Jabra Evolve2 65(ビジネス)
よくある質問
Q. ノイキャンは何dBあれば十分ですか?
在宅ワークの生活音(エアコン、洗濯機、家族の会話)を抑えたいだけなら-30dB前後でも十分体感できます。
電車通勤や外出先での作業も想定するなら-40dB以上のモデルを選ぶと安心です。
Q. ヘッドホンとイヤホン、在宅ワークではどちらが向いていますか?
Web会議中心で長時間机に向かうならヘッドホン、家事や外出と兼用したいならイヤホンやオープンイヤー型が扱いやすくなります。
どちらか一方に絞る必要はなく、用途で使い分ける選択肢もあります。
Q. Web会議用に別途マイクは必要ですか?
マイク内蔵のヘッドホン・イヤホンであれば基本的に不要です。
ただしマイク本数が少ないモデルは声がこもりやすいので、ビームフォーミング対応かどうかを確認してください。
Q. 有線と無線、在宅ワークではどちらが安心ですか?
接続の安定性を最優先するなら有線が確実です。
デスクを離れる機会が多い、複数デバイスを切り替えたいなら無線(マルチポイント対応)が便利です。
まとめ
ヘッドホン・イヤホン選びで大切なのは、感想ではなく「dB」「マイク方式」「重さ」という具体的な数値です。
この3つの軸さえ持っておけば、新しいモデルが出ても迷わず判断できます。
Ankerは価格に対してこの3軸のバランスが良い一方、絶対性能を求める場面では他ブランドが上回ることも正直にお伝えしました。
用途に合わせて選んでください。
デスク環境全体を見直すなら、あわせてGEARの選び方|ローカルLLM対応で失敗しないPC・ガジェットの基準や、在宅ワーク用デスクトップPCの選び方も参考にしてください。











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