デスク周りの電源タップ、容量は足りてる?消費電力を足して「W」と「A」で確かめる方法

デスクの足元で、電源タップがぎゅうぎゅうになっていませんか。
PC、モニター、スマホの充電器、ルーター、デスクライト……
つなぎ足しているうちに、気づけば差し込み口が全部埋まっていた、というのはよくある光景です。

差し込み口が足りているかどうかは、見ればわかります。
でも、電気の容量が足りているかどうかは、見ただけではわかりません。
製品評価技術基盤機構(NITE)によると、2019年から2023年の配線器具による火災事故は126件で、2023年は2019年の約2倍。テレワークの広がりも関係していると推定されています。[1]

この記事では、デスク周りの機器の消費電力を足し算して、電源タップの上限に収まっているかを自分で確かめる方法をまとめました。
W(ワット)とA(アンペア)の関係、タップの表示の読み方、メーカーが公表している消費電力の例、そして自分のデスクで試せる計算ツールまで、順番に見ていきます。

先にお断りしておくと、この記事もツールも、あくまで目安です。
実際は、電源タップ本体の表示と、各機器の銘板・取扱説明書を優先してください。
「ここまでなら大丈夫」と保証するものではありません。

W・A・Vの関係をおさらい

電気の話は記号が多くて身構えてしまいがちですが、デスク周りで使うのは、ほぼこの1本の式だけです。

W(消費電力)= V(電圧)× A(電流)

家庭のコンセントは100V なので、100W ≒ 1A、1000W ≒ 10A、1500W ≒ 15A

NITEも、家庭のコンセントは100Vなので、100Wがおよそ1A、1000Wがおよそ10Aと説明しています。
[1] つまり、タップに「15A」と書かれていたら、15A×100V=1500W。「1500W」と書かれていたら15Aのこと、と読み替えられます。

ただし、この「100Wで1A」は、わかりやすくするための換算です。
実際の電流は機器の方式によっても多少変わるので、ツールが出す「約○A」も、目安として見てくださいね。

電源タップの表示の読み方

電源タップやコードリールには、つないでいい上限が決まっていて、本体やパッケージに「最大消費電力」か「定格電流」のどちらかで書かれています。[1]
まずは手元のタップをひっくり返して、この表示を探してみましょう。

電源タップの表示のイメージ(架空の例)

定格容量 15A・125V
最大容量 1500W

「Aだけ」「Wだけ」の表示でも、100V換算で読み替えれば同じ意味になります。

表示意味見るポイント
定格電流(15Aなど)流してよい電流の上限合計Wを100で割ったA以内に収める
定格電圧(125Vなど)使える電圧の上限家庭の100Vで使う前提で、W換算には100Vを使う
最大容量・合計W(1500Wなど)つなぐ機器の合計の上限合計Wをこの数字以内に収める
個別の口の上限、スイッチ製品によって違う表示があれば、そちらにも従う

エレコムの電源タップの仕様欄を見ると、定格容量は「15A・125V」、最大容量は「1500W」と並んで書かれている製品があります。[2]
15A×100Vで1500Wですから、数字がきれいに対応していますね。

ただ、すべてのタップが1500Wとは限りません。
コードリールのように、巻いたままか引き出したかで上限が変わる製品もあります。[1]
手元のタップの表示を確かめるのが、いちばん確実です。

もうひとつ、タップにタップをつなぐ「たこ足配線」は避けたい使い方です。
NITEは、テーブルタップを連結したり、マルチタップを取り付けたりしないよう呼びかけています。
消費電力が大きくなって、電源コードやプラグが異常に熱くなるおそれがあるためです。[3]

壁のコンセントにも上限があります

見落としやすいのが、タップの先にある壁のコンセントです。
NITEによると、一般的な住宅に多い二口のコンセントは、二つの口の合計で1500Wまで。[1]
片方で1000W使っていたら、もう片方は500Wまで、という計算になります。

タップの上限が1500Wでも、同じ壁コンセントのもう一口に暖房器具などをつないでいたら、合計は1500Wを超えてしまうかもしれません。
ツールには、この「もう一口」の分を入れる欄も用意しました。

NITEが紹介している事故例のひとつでは、二口コンセントの片方に1200Wの電気冷温風機、もう片方にタップ経由で500Wの電気こたつや149Wのテレビなどをつないでいました。[4]
足すと1500Wを超えています。
事故の原因は一つひとつ違うので、これだけで決めつけることはできませんが、「合計で見る」大切さがよくわかる例です。

また、ブレーカーが落ちなければ大丈夫、とも限りません。
NITEは、ブレーカーが作動するまでに時間がかかる場合があると説明しています。[1]
なお、壁の先のブレーカーの容量は家ごとに違うので、この記事のツールでは扱っていません。

機器別 消費電力の早見表(メーカー公表値)

デスク周りの機器のうち、メーカーの公式ページで数値を確認できたものだけをまとめました。
同じ種類の機器でも製品によって大きく違うので、あくまで「例」です。
手元の機器は、本体の銘板や取扱説明書の数値を使ってください。

機器製品公表値出どころ
デスクトップPCApple Mac mini(M4)待機4W/最大65W[5]Apple公式の電力使用量ページ
デスクトップPCApple Mac mini(M4 Pro)待機5W/最大140W[5]同上
モニターBenQ GW2491通常17W/最大22W[6]海外向け公式仕様ページ
モニターBenQ BL2490通常20W/最大30W[7]海外向け公式仕様ページ
Wi-Fiルーターバッファロー WSR-5400AX6B/NCG最大14.6W[8]公式の仕様書
Wi-Fiルーターバッファロー WSR-1166DHPL2/PL最大9.1W[9]公式の仕様書
USB充電器Anker Nano II 65W出力 最大65W(入力 2.1A)[10]公式の製品ページ

BenQのモニターは、日本向けではなく海外(インド・アジア太平洋)の公式仕様ページの値です。
日本で売られている同じ名前の製品と、仕様が違う場合もあります。
表の数字を並べて眺めると、読み方のコツが3つ見えてきます。

  • 「通常」と「最大」は別もの。
    BenQ GW2491は通常17W、最大22Wです。[6]
    容量のチェックでは、余裕を見て最大のほうを使いましょう。
  • 待機と最大の差が大きい機器もある。
    Mac mini(M4)は待機4Wでも、最大は65Wです。[5]
    「いま静かだから」で見積もると、あとでズレます。
  • 充電器は「出力」と「入力」で数字が違う。
    Anker Nano II 65Wは出力が最大65Wですが、入力の表示は2.1Aです。[10]
    ツールでは出力側のW(65W)を使います。
    多めに見積もりたいときは、入力のA×100(この場合は約210W)で見る方法もあります。
    充電器のW数の見方は、充電のW数を解説した記事にまとめています。

ヒーター、加湿器、デスクライト、プリンターなどは、公式ページで数値を確認できなかったため、この表には載せていません。
「だいたいこのくらい」という数字を並べるより、手元の機器の銘板を見てもらうほうが確実だからです。

合計の出し方は3ステップ

① 調べる

機器ごとの最大Wを、銘板や取扱説明書で確認

▶

② 足す

台数をかけて、同じタップの機器をぜんぶ足す

▶

③ 比べる

タップの上限(と壁コンセントの上限)と見比べる

ステップ1:機器の最大Wを調べる。
本体の銘板か取扱説明書で「消費電力」を探します。「定格消費電力」「最大」と書かれた数字を使いましょう。「100V 1.2A」のようにAで書かれていたら、A×100でWにします。

ステップ2:ぜんぶ足す。
同じタップにつなぐ機器を、台数もふくめて足していきます。

ステップ3:上限と比べる。
合計Wを、タップの上限で割ってみます。1に近いほど、ぎりぎりということです。

練習として、さきほどの表の最大値を足してみます(公表値を足しただけで、実測ではありません)。

機器使うW
Mac mini(M4)の最大65W
BenQ GW2491の最大22W
Anker Nano II 65Wの出力65W
バッファロー WSR-5400AX6B/NCGの最大14.6W
合計166.6W(約1.67A)

上限1500Wのタップなら、166.6÷1500=約11.1%。かなり余裕があります。
ここに、たとえば1200Wの機器を足すと合計は1366.6W、割合は約91.1%。
数字で見ると、「ぎりぎりだな」とはっきりわかります。

電源容量チェッカー

ここまでの計算を、ツールにまかせてみましょう。
①タップの上限、②機器のW、③(あれば)同じ壁コンセントのもう一口の分、の順に入れるだけです。
「サンプルを入れる」を押すと、上の例で動きを試せます。

電源容量チェッカー

機器の消費電力(W)を入れると、合計と電源タップの上限に対する割合を表示します。計算はこのページ内だけで行い、入力内容は送信されません。

タップ本体やパッケージの「最大1500W」「15A」などの表示を入れてください。Aで入れた場合は、100Vとして×100でWに換算します。

② つなぐ機器(機器の銘板や取扱説明書にある最大のW)

W

入れると、壁コンセント全体(二口の合計)の目安も表示します。

機器のWを入力すると、ここに結果が出ます。

これは目安を出すための簡易ツールです。実際は、電源タップ本体の表示と、各機器の銘板・取扱説明書を優先してください。機器は起動時や動作状況で消費電力が変わり、このツールは安全を保証するものではありません。判定の「8割」は当サイト独自の目安で、公的な基準ではありません。

結果は3段階で出ます。
上限の8割未満なら「目安の範囲内」、8割以上で上限以内なら「近づいている」、上限を超えたら「超えている」です。
8割というラインは当サイト独自の目安で、公的な基準ではありません。
上限ぴったりでも「近づいている」と表示するのは、余裕がほとんどないからです。

チェックリスト:つなぐ前に確認したいこと

  • ☐ タップ本体の表示(最大Wか定格A)を確認した[1]
  • ☐ つなぐ機器の最大Wを、銘板か取扱説明書で確認した
  • ☐ 合計Wが、タップの上限以内に収まっている
  • ☐ 同じ壁コンセントのもう一口の分も足して、合計1500W以内になっている[1]
  • ☐ タップにタップをつなぐ、たこ足配線になっていない[3]
  • ☐ コードリールは、表示の上限(巻いたまま/引き出したとき)を確認した[1]
  • ☐ 暖房器具など消費電力の大きい機器は、取扱説明書の使い方を確認した
  • ☐ プラグやコードが、異常に熱くなっていない[3]

上限に近づいたときは

合計が上限に近かったり、超えていたりしたら、まず機器を別のコンセントに分けられないかを考えてみてください。
タップを増やして対応するより、つなぐ機器の分け方を見直すほうが、すっきりします。

配線ごと見直したいときは、デスクの配線を隠す6ステップも参考になります。
機器の選び方から整理したい場合は、GEAR選び方ガイドもどうぞ。

それでも判断に迷うときは、タップや機器のメーカー、購入した販売店、電気工事の専門業者に相談するのが確実です。繰り返しになりますが、数字はあくまで目安。
電源タップ本体の表示と、各機器の銘板・取扱説明書を、いちばん大切にしてください。

よくある質問

Q

電源タップの「1500W」は、どのくらいの機器までつなげますか?

A

表示が1500Wのタップなら、つなぐ機器の消費電力の合計を1500W以内にするのが目安です。
15Aのタップなら、15A×100V=1500Wという計算になります。[1]
何台つなげるかは、口の数ではなく合計Wで決まります。

Q

電源タップにWの表示がなく、Aだけ書いてあります。どう読めばいいですか?

A

家庭のコンセントは100Vなので、Aに100をかけるとWの目安になります。[1]
たとえば15Aなら1500W、10Aなら1000Wです。
あくまで目安なので、迷ったときはタップの取扱説明書やメーカーの案内を確認してください。

Q

機器の消費電力は、「通常」と「最大」のどちらで計算すればいいですか?

A

容量のチェックには、余裕を見て「最大」の値を使うのがおすすめです。
たとえばBenQ GW2491は、通常17W・最大22Wと公表されています。[6]
「最大」の記載がない機器は、銘板にある「定格消費電力」を使ってください。

Q

壁のコンセントの上限は、どう考えればいいですか?

A

一般的な住宅に多い二口のコンセントは、二つの口の合計で1500Wまでです。[1]
タップの上限が1500Wでも、もう一口の使い方しだいで、壁側の合計が上限を超えることがあります。
ブレーカーが落ちなければ大丈夫とは限らないので、合計で見るようにしてください。[1]

Q

たこ足配線は、なぜ避けたほうがいいのですか?

A

タップを連結すると消費電力が大きくなり、電源コードやプラグが異常に熱くなるおそれがあるためです。[3]
熱でプラグが炭化するとトラッキング現象を引き起こし、コードが熱で劣化するとショートや発火に至る場合があると、NITEが注意を呼びかけています。[3]
機器が増えたときは、タップをつなぎ足すのではなく、コンセントを分けることを考えてみてください。

Q

このチェッカーで「目安の範囲内」と出れば、安全と言えますか?

A

いいえ、安全を保証するものではありません。
ツールは、入力された数字を足して上限と比べるだけの簡易的な計算です。
実際の消費電力は機器の動作状況で変わり、タップの状態や使い方にも左右されます。
電源タップ本体の表示と、各機器の銘板・取扱説明書を優先してください。

Q

ヒーターや加湿器の消費電力は、早見表に載っていませんか?

A

公式ページで数値を確認できなかったため、載せていません。
手元の機器の銘板か取扱説明書で、消費電力を確認してください。
1000W以上の機器は、タップを共用してよいかも取扱説明書で確認しておくと安心です。

参考資料

  1. 製品評価技術基盤機構(NITE)「PSマガジン VOL.446」(2024年)https://www.nite.go.jp/data/000153042.pdf
  2. エレコム 電源タップ T-KST02-22330WH 仕様(ツクモネットショップ掲載)https://shop.tsukumo.co.jp/goods/4953103319271/
  3. 製品評価技術基盤機構(NITE)「たこ足配線の危険性」https://www.nite.go.jp/data/000104001.pdf
  4. 製品評価技術基盤機構(NITE)事故情報(二口コンセントの事例)https://www.nite.go.jp/data/000156242.pdf
  5. Apple「Mac miniの電力消費と熱出力」https://support.apple.com/ja-jp/HT3468
  6. BenQ GW2491 仕様(インド向け公式サイト)https://www.benq.com/en-in/monitor/home/gw2491/spec.html
  7. BenQ BL2490 仕様(アジア太平洋向け公式サイト)https://www.benq.com/en-ap/monitor/business/bl2490/spec.html
  8. バッファロー WSR-5400AX6B/NCG 仕様書https://www.buffalo.jp/product/detail/print/wsr-5400ax6b_ncg.html
  9. バッファロー WSR-1166DHPL2/PL 仕様書https://www.buffalo.jp/product/detail/print/wsr-1166dhpl2_pl.html
  10. Anker Nano II 65W 製品ページ(アンカー・ジャパン)https://www.ankerjapan.com/products/a2663

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